【千のほたる】 り〜タンは、6才に元気な女の子。り〜タンは、大好きなグランパとバ〜 バ、パパとママ、そして弟のトキ君と一緒に暮らしていました。 ところがある日、おじいちゃまが身体をこわしたんで、グランパとバ〜バは おじいちゃまのお家に引っ越して行きました。 そのおじいちゃまは、去年の3月に天国に行ってしまいました。グランパに よると「おじいちゃまは『千の風』になって、り〜タンたちを見守ってくれて る」そうです。 その年の6月の終わりに、り〜タンは、グランパとバ〜バと一緒に里山に ほたるを見に行きました。たくさんのほたるが、り〜タンを出迎えてくれまし た。グランパとバ〜バが「ほ・ほ・ほたる来い……」と歌うと、不思議なこと に小さな光が、り〜タンに近づいて来ました。り〜タンが手を差し出すと1 匹のほたるが、てのひらにちょこんと乗ってくれました。その可愛さに、り〜 タンは「お家に連れて帰ろうヨ」と言って、てのひらに乗せたまま、車で帰ろ うとしましたが、途中で元気に光をはなっていたほたるが、急に元気をなく してしまいました。バ〜バが「このままだったら、ほたるさんが死んでしまう ヨ」って言ったんで、り〜タンは道路のはしの草むらに、ほたるをおいてやり ました。すると元気がなかったほたるが、今までで一番明るい光をはなち ました。まるで「り〜タン、ありがとう」とでも言うように。り〜タンはそのほた るに向かって「来年も会おうネ」って、手をふりました。 それから1年がたち、今年もり〜タンは、グランパとバ〜バと一緒に、里山 にほたるを見に行きました。するとどうでしょう。去年より多くのほたるの光 が、り〜タンを出迎えてくれました。今年は、グランパやバ〜バが、あの 「ほ・ほ・ほたる来い……」を歌わないうちに、一番大きな光をはなっていた ほたるが、去年と同じように、り〜タンの所に飛んで来てくれました。ほた るは「去年はありがとう」と言ってるように、また、り〜タンのてのひらにちょ こんと乗りました。その時です。り〜タンが「グランパ、このほたるは『千の 風』になったおじいちゃまかも知れないネ」と言ったんです。り〜タンの目に は、このほたるが『千の風』ならぬ『千のほたる』に見えたんでしょうネ。 今年、り〜タンは、その場に『千のほたる』をおいて「また来年会おうネ」と 言いながら、笑顔で手をふっていました。
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